森友学園問題:吹いたのは神風ではなく「酒井旋風」ではなかったか (1)

籠池理事長による「神風が吹いた」発言は、事件を象徴する言葉として後年参照されるものになるかもしれない。

私はこの神風発言にやや胡散臭さを感じる。というのも籠池氏は当初、「神風」がどういうものかについて、山本太郎議員の質問にこう答えている。

【籠池泰典氏証人喚問】詳報(18)「ハシゴを外された」と怒りを覚えた政治家は?「大阪府知事です」 それ以外は?「大阪府知事です」 - 産経ニュース

 山本氏「以前のお言葉で『急に神風が吹いて国有地が手に入った』という趣旨のご発言があったと思うんですね。どんな『神風』だったということなんですかね」

 籠池氏「遅々として進まなかった、定期借地権のときまでは進まなかったんですが、それ以降は非常にスピード感をもって物事が動いていったというふうなことをもって『神風が吹いた』というふうな表現をさせてもらったということです」

衆参両共産党議員とのやりとりでも同様のことを言っている。

森友学園 籠池氏の証人喚問(詳報 23日)

 小池 安倍昭恵さんは、塚本幼稚園で3回目の講演をやったのが15年9月5日です。その2日前に安倍首相は、財務省の理財局長と東京で会っています。塚本幼稚園での昭恵夫人の講演テーマは、瑞穂の国記念小学院についてだと思います。あなたに対して、財務省が前向きに動いているというような話がありましたか。

 籠池 財務省が前向きに動いていると感じたのは、生活ゴミが出てきたあとが著しかったと思います。

 小池 具体的には、生活ゴミが出て、8億円の値引きが行われる過程だと思います。どういう点で、どういう動きをみて、財務省は前向きだというふうに思ったのでしょうか。

 籠池 私どもの弁護士が入っておりましたから、その動き方、スピード感、非常に速かったと思います。

 籠池 定期借地が年間2700万円でしたから、大量のゴミが出てきて、これはかなり問題があると当然思ったわけです。少なくとも2700万円の半分ぐらいになるだろうと直感的に思っていました。ただ、そのまま定期借地をするのであれば、1年間、また開校がずれると大変なので、購入したほうがいいのではないかと考えたということです。

 宮本 あなたは午前中の参議院での答弁で、このときから、財務省が前向きに動いていると感じたと言いました。いったい、どういう力が、そこに働いたなと感じましたか。

 籠池 私は、そのときは神風が吹いたかなと思ったということです。なんらかの見えない力が動いたのではないかなと思いました。

つまり、新たな生活ゴミの発見が神風を呼んだという認識である。

ところが証人喚問終了後の日本外国特派員協会での会見では、神風が吹いた=物事が大きく進み始めたきっかけは、谷氏から送られてきたFAXだと言うのである。ここ数日の論調もそれに引きずられていて、FAXが神風を吹かせた、安倍昭恵は谷氏を通して大きな関与をした、という論調が強まっている。

上掲の通り、籠池氏は証人喚問の場では一貫して新たなゴミが出てきてから物事が急に動いたと言っていた。僅かな間でなぜ認識がこのように変化したのか。FAXが契機だと言ったほうが安倍昭恵の関与を強く示唆することができて都合がいいと誰かに言われたか、あるいは自分で思いついたかしたからではないのか。

おそらく野党はそのような邪推をせずに、田村国有財産審理室長をキーマンとしてFAXと神風を結びつけるストーリーを組み立てるだろうが、私はもっとシンプルに説明できる道を行ってみる。

FAXを含むやりとりは財務省に何の影響も与えなかった。その数カ月後の2016年3月、杭打ち工事の過程で新たな埋設物が発見される。それは新たなプレイヤーを籠池氏側に招き入れる契機となった。

その新たなプレイヤーというのが北浜法律事務所所属・酒井康生弁護士である。彼が交渉に加わったことで事態が急展開した、というのが私の見立てであり、表題の所以となっている。

(続く)

森友学園問題:「予算措置」と「ゼロ回答」にまつわる議論

谷査恵子氏送付のFAX文面において

4)工事費の立て替え払いの予算化について

一般には工事終了時に清算払いが基本であるが、学校法人森友学園国土交通省航空局との調整にあたり、「予算措置がつき次第、返金する」旨の了解であったと承知している。平成27年度の予算での措置ができなかったため、平成28年度での予算措置を行う方向で調整中。

という記述があることから、このやり取りを通じて事態に具体的な変化があったとみなし、「ゼロ回答」ではない、という議論がある。

実際に平成28年度予算で返金が行われたので、「満額回答」だという者もいる。

そういう方々は、春闘でベアゼロ定昇のみの回答が返ってきても、定期昇給があるから満額回答だというのだろうか。経団連が大喜びをしそうである。

上記皮肉に対して、いやいやベースアップが行われていないなら満額回答ではないだろう、とツッコミを入れようと思った人は、籠池理事長が何を求めたのかを知らずに議論している。

この点は報道番組で自民党の葉梨議員が解説しているのでそれを踏襲すると、まず籠池理事長は谷氏に送った陳情書の中でこう書いている。(2chで画像から文字起こしされたものに一部筆者が書き足し、葉梨議員の読み上げと合成。文責筆者)

関係してですが、平成27年2月契約事前の段階で、財務と航空の調整の中で、学園側が工事費を立て替え払いして、平成27年度予算で返金する約束でしたが、平成27年度予算化されていないことが9月末発覚し、平成28年度当初に返金されるという考えられないことも生じています。
??11月中に地表工事が終わりますのに、4ヶ月間のギャップはどう考えているのか
???人間の感覚が変です。4ヶ月間の利息は? ふりまわされています。

要望は直接は書かれていないが、要はいつ払ってくれるんだ、早く払ってくれないかということである。籠池理事長は「平成28年度当初に返金される」ことを「考えられないこと」と認識しており、それに不満を訴えているのである。

それをふまえて回答FAX文面を読んで見られたい。平成28年度当初の返金ではご不満のようですが、これこれこういう理由なので、やっぱり平成28年度に返金しますということを丁寧に書いてあるだけである。籠池理事長の要求には一切応じておらず、不満は全く解消されていないはずだ。

また、平成28年度に予算措置がされることは籠池理事長が既知のことであるから、新たな情報を知らせたわけでもない。合意のあることを合意通りに実施しますと言っているのだから、何か事態に進展があったわけでもない。

森友学園は資金繰りに相当に難があったのであろうか、この陳情書に効果がなかったと見て、役人を呼びつけて籠池夫人が怒りをぶちまけるといった直接的働きかけをしたけれども、国側はそれに対し、なんとか工面して年度内に支払うであるとか、予算で都合のつく一部を返金するであるとかの便宜を一切はからなかった。そして、籠池理事長が「考えられないこと」と評したままの、平成28年度当初での返金となった。

「忖度」の有無については個々の官僚の内心であるから判別のしようがないが、事実経過としては当初予定と何ら変わらぬ過程で処理されている。

要するに、前掲FAX文面は「1を2にしてくれないか」という依頼に対し「1とする」と回答したということである。それを「1と回答したのだからゼロ回答ではない」というのはおかしい。

一見何かあったようにみえるのは、「予算措置」「調整中」といった単語のイメージに引きずられているだけであろう。

それでもなおこれがゼロ回答ではないと言いたいのであれば、ではこのやり取りがなかった場合、有益費の処理について、どのように事が進むはず/べきであったのかを示されたい。

歪められていない正常手続きが想定できていなければ、事態の経過が異常であったことの判別はできないはずだからである。

 

また、返金が年度開始直後の平成28年4月6日に速やかに行われたのがこのFAXの影響だとする議論も、同様の愚論である。

工事終了から年度開始まで4ヶ月が経過しており、それだけの期間があれば必要な事務手続きは事前に全て終わっていて当然だろう。

「一般には工事終了時に清算払いが基本」なのであるから、準備が整っていれば、予算措置がつき次第即座に返金をするのが誠実かつ自然ではないか。

これもやはり、平成28年4月6日の返金が不自然と論じるのであれば、本来はいつ返金すべきなのか、あるいはその時期に返金してはいけない理由を説明してみられよ。

予め釘を差しておくと、「工事終了時」の「工事」は、校舎建設などを含む、開校に至るまでの一連の全工事のことではない。これはあくまで貸付契約における「土壌汚染除去等費用の処理」に関する事案だからである。

 

蛇足になるが、たとえ「ゼロ回答」だったとしても、問い合わせの仲立ちをしたことが関与・口利きにあたるという議論は成立しうると思う。

野党らは、無理のあるゼロ回答否定論に拘泥するのをやめて、そちらの理屈で迫ったほうがいいだろう。

森友学園問題:大阪航空局には算定の経験が「ある」

大阪航空局が埋設物の撤去費用の算定をした経験がないという誤解が定着している。

森友学園 5つの疑問|NHK NEWS WEB

こちらは3/17付けの記事であるが、

これまで鑑定を行った経験のない大阪航空局がみずからゴミの撤去費用を算定しました 

と記述されている。

3/24には民進党大塚耕平議員が「大阪航空局…彼らは経験がないわけですよ、積算はね」と前置きをして質問した。

それに対し武内元近畿財務局長は、「航空局に経験がないというお話でございましたけれども、航空局はこれまでもそういった案件を扱っているということは承知しております」と述べた。

武内氏はまた、共産党の辰巳孝太郎議員が撤去費用見積額について問うた質問に対する答弁の中でも、大阪航空局が土木建築工事における処分費用の見積に専門的な知見を有するという認識を示した。

 

この誤解が広まった理由は3/1の国会で佐藤航空局長が「撤去費用を算定したことはないが…」と答弁したことが広くメディアで報じられたことによる。

実は佐藤局長はその答弁について3/3の答弁で以下のように訂正しているのだが、こちらは全く報じられていないようである。

「3月1日の予算委員会において大阪航空局に積算を行った事例がないと申し上げましたのは、地方財務局の依頼により土地売却にあたって産業廃棄物撤去処分費用について大阪航空局が算定を行った事例についてでございます」

つまり、「地方財務局の依頼により」という限定された範囲についてのみ経験を否定したのであって、一般的には算定を行った経験・事例があるということである。

 

森友学園問題:場内処分=ゴミ埋め戻しなのか

森友学園問題 産廃埋め戻し、財務局が促す 27年9月、協議記録に記載 (産経新聞) - Yahoo!ニュース

【独自】財務省側が“ゴミ埋め戻し”要請か|日テレNEWS24

 

協議記録から読み取れるのは、場外処分を減らし、場内処分の方向で産廃を処理してほしいという財務局の意向である。

日テレの映像では「敷地内に埋めるよう求める」とのテロップを入れて解説しているが、「場内処分」というのは「産廃を作業場内に埋めて処分すること」ということを直接意味しているのだろうか。

 

こちらの記事を読んでいただきたい。反安倍の立ち位置が明確なブログであるが、産廃処理に関する記述は大いに参考になった。

森友学園への国有地評価額約9.5億の約1.4億売却理由、地下埋設物は果たして存在したのか検証 - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之

森友学園瑞穂国記念小学校のカネと時間が掛かる産業廃棄物処理の方法を取った疑惑を改めて考えてみる - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之

かいつまんでいうと、産廃を含んだ土をまるごと場外の処理場に運んでしまうのが場外処分、分別は場内で行い、分別後の産廃だけを搬送するのが場内処分、となりそうである。(場外処理/場内処理と呼んだほうが適切かもしれない)

これは業者の告白に基く「埋め戻し」報道が出た直後に発表された森友学園の作業スケジュールと符合する。

170224_残土処分の時系列まとめ

仮置き土をごみ等混入物と土砂とを分別(スケルトン+人力)し
分別した混入物は産業廃棄物として処分行う。
※分別できない部分はそのまま産業廃棄物として搬出

 

いかに非公開の場とは言え、明白な違法行為を財務局が業者に勧めるのは考えにくいことであり、場内処分=ゴミ埋め戻しとした報道は勇み足のおそれがある。

 

森友学園問題:豊中市の公園用地購入額14億円との比較は無意味か

国会で福島瑞穂(嫌いではない)が質問に立ったというので、youtubeで録画を見た。

残念ながら案の定、質疑自体に特筆すべきものはなかったが、個人的に初めて知る情報で興味深いものが含まれていた。

それは現在野田中央公園として利用されている土地を豊中市が国から購入した時の契約についての話題である。

いわく、

14億円という価格は見積合せの際に豊中市が提示した希望価格である。その額が国の予定価格より高額であったため、その希望価格で契約が成立した。

とのことである。

ではその時の国側の予定価格がいくらであったのか、という点を突き詰めてくれなかったので、実際は希望価格と予定価格は大差なかったのかもしれない。

しかしながら、国の予定価格より高額であり、なおかつ瑕疵担保責任免責特約の有無という重要な点において異なる契約の契約金額というのは、国と森友学園の売買契約金額の妥当性を考慮するにあたって参照するに値するものなのか。

これはとりわけ、

森友学園の国有地払下げ、鑑定評価は適正だった?不動産鑑定士の関りは?

のように平米単価などを比較する時に問題となるだろう。

 (3/26追記)

その後の国会質疑の中で、予定価格は9億円強であったことが明らかになっている。

すなわち、野田町1501(森友学園購入)と1505(豊中市購入)とで、ベースとなる金額にはほぼ差はなかった。

 

森友学園問題:大風呂敷はたたむ頃合い

いわゆる鴻池事務所メモが公開され、興味深く読んだ。

メモを読んでみると、籠池理事長が全くゼロの状態から国有地取得にむけあれこれ活動してきた経緯が伺われる。

最初から筋書きがあるのであれば、おそらくそのようなことにはならない。座して待っていても、それこそ「よしなに」取り計らってくれるだろう。

 

あまり注目されていないが、籠池理事長が2014年1月時点で売却予定額を15億円と想定していたことは、なかなかに重要と思われる。

この15億という想定は、かなり的はずれな想定である。おそらく路線価をもとにしたのであろうが、国有地の価格は基本的には台帳価格ベースで決まる。

当時における当該土地の台帳価格は約7億6千万円であり、売却額がその2倍の額になることは、まあ有り得ないといっていい。台帳価格が一般的には実勢価格の8割であることから、売却額はその2割増が相場と聞く。

すなわち籠池理事長は、ある程度交渉が進んだ段階においても、その程度の認識しかできない立場にいた、ということだ。最初から政治家とグルなのであれば、先んじた大阪音大との交渉経過を含め、売却予定額が10~9億の線になるという情報は、その頃にはとっくに耳に入っているはずである。

 

前回話題にした登記簿の件などを含め、政官一体となって森友学園に国有地を格安譲渡するための巨大な策謀があり、そのような強力な政治力を発揮できるのは安倍総理しかいない、というような意見がこれまでは一部見られた。

そういった理路での追及はもはや無理筋になりつつある。

森友学園問題:登記簿の「錯誤」について語るのであれば最低限抑えていてほしい事実関係

森友学園問題 「錯誤」登記をめぐる謎 | 郷原信郎が斬る

国から新関空会社への現物出資は、「関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律」に基づいて行われている

とのことなので、その法律を見てみる。

関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律

附 則 抄
(引用者略)
(承継時の出資)
第五条
(引用者略)
 政府は、第六項の規定による株式の引受けに際し、会社に対し、政府の保有する関西空港会社の株式及び社会資本整備事業特別会計の空港整備勘定に所属する国有財産のうち大阪国際空港に係るものを出資するものとする。
 機構は、第六項の規定による株式の引受けに際し、会社に対し、機構が前条第三項の認可を受けた実施計画(同条第四項の認可があったときは、変更後のもの。次条第三項において「機構承継計画」という。)において定めるところに従い、その財産のうち大阪国際空港に係るもの(次条第四項の規定により同項の政令で定める関係地方公共団体に対して分配される財産を除く。)を出資するものとする。
10  前二項の規定により政府及び機構が行う出資に係る給付は、この法律の施行の時に行われるものとする。

関連があるのは上記あたりだろうか。

では「この法律の施工の時」とはいつであったか。

報道発表資料:関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律の施行期日を定める政令について - 国土交通省

関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律の施行日(関西国際空港大阪国際空港の経営統合日)を平成24年7月1日とする。

これらより、当該出資は平成24(2012)年7月1日に行うと法律で決まっていることがわかる。

 

そこでこの資料を見ていただきたい。

第119回(平成24年2月14日)開催結果PDFファイル(PDF形式:433KB)

まず、空港本体につきましては、土地が280平方メートルのほか、消防庁舎などの新会社が空港運営上必要とします建物、施設が出資されることになります。また、空港場外にございます、伊丹空港周辺にあります移転補償跡地約80万平方メートルにつきましても出資をされることになります。
ただし、伊丹空港周辺の跡地の中で、近々に処分を予定しているものがございます。1つは昨年本審議会に諮らせていただきました川西市の場外用地、通称「なげきの丘」に係るものでございます。本件につきましては、本年度内の処分に向けて手続を現在進めているところでございます。
また、もう一つは、豊中市野田地区にございます移転補償跡地約9,000平方メートルの土地でございます。
本件につきましては、買い受けを希望されている学校法人と現在処分に向けて調整を進めさせておりまして、調整が完了次第、改めて本審議会に諮らせていただき、処分をしたいというように考えております。
以上の2件につきましては、早期の処分が見込めるために、今回の統合の際の出資対象財産とは考えておりません。 

念のため書いておくと、ここの「学校法人」は、いわゆる「別法人」である。

つまり、 問題の土地は、80万平米ある移転補償地の中で、たった2件だけ出資対象財産とならなかった土地のうちの1つである。

出資対象外のものを出資対象として登記してしまった。これは典型的な「錯誤」であり、何も不審な点は見当たらない。

もうひとつの土地、「なげきの丘」は、「本年度内の処分」とあるが、実際には

第120回(平成25年5月28日)開催結果PDFファイル(PDF形式:2.3MB)

にある通り、平成24(2012)年2月23日に1億5000万円で売買契約を締結したとのことである(P28~。PDFが画像なので引用せず)。こちらは既に国有地ではなくなっていたので、錯誤の起こりようがなかっただろう。

 

ところで、こちらの時系列表では、

【2/27更新】森友学園(大阪市淀川区)と大阪・豊中の国有地 情報集約 | よどきかく

2012年7月1日 国有地を関空会社へ現物出資 登記情報
2012年夏 「希望額が安い(5.8億円)」として、学校法人からの購入を断る 朝日新聞2/11記事

 

 となっており、2012年7月1日以降に交渉が不調となったように読めるが、出典の朝日新聞2/11記事を読んでも具体的な「夏」の期日はわからなかった。

したがって、2012年7月1日以前に交渉は終わっており、改めて出資対象として組み入れることができた可能性はある。

しかしながら、当初出資対象と考えていなかったものを、登記の処理が目前に迫った時期に追加で組み入れることは、手続きにかかる時間を考えると難しいのではないか。

交渉終了が2012年7月1日以降であれば、出資できる期日は法律により2012年7月1日のみなのであるから、なにか法改正がない限り、出資せずに国側で処理するほかないだろう。

 

「錯誤」の登記に不審なものを感じる人は、このあたりの事実関係は抑えた上でなお怪しむべき事実の存在を提示していただきたい。

 

(3/26追記)

その後、3/22参議院総務委員会で民進党江崎孝議員がこのあたりの経緯を質問している。

それによると、大阪音大との交渉が終了したのは7月25日であったということである。

登記にかかる事実経過が当記事で示した通り大阪航空局職員の単純な錯誤であったことも答弁されている。

本件については完全にケリがついたと言っていいだろう。