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森友学園問題:財務省のデータ復元可能性について

保存期間1年未満の行政文書について

最近評判の国会ウォッチャー氏が民進党・高井議員の質疑を高く評価していたので、録画映像を見てみたところ、明らかに問題があると思われる点があったので指摘しておく。

ポイントとなる発言を、以下文字起こしする。

紙の文書であればですね、まあ焼却なりしてしまえばこれはもうどうしようもありません。復元はできません。

しかしですね、今の時代ですね、皆さんパソコンで文書は作っているわけです。まさかね、手書きで全部メモを取ってるわけはありません。

で、このパソコンで作った場合はですね、このデジタルデータというのはそのものはですね、無くせないんですよ。

これもう、文書管理システムのようなところからはまあ消去、まあ私はね、そんな仕事終わるたびに消去なんて絶対してないと思いますけど、まあでもそれやってるんだと、百歩譲っておっしゃるんであってね、まあそのいちいち仕事終わるたびに消去してるんだと言ったとしてもそれは文書管理システム上の表面から消去してるだけであって、必ずパソコンのハードディスクやサーバの中には残ってます。

これはですね、私もITをずっとやってきましたし、念のためいろんなITの専門家にも確認しましたけど、ま、これ絶対無くせないってわけじゃありません。まあ相当なお金と手間をかけて、パソコン自体をもう初期化してしまうようなものすごい作業をやれば消すこともできます。

しかしそんなものをですね、やってるはずがないと。だからこそ普通はみんなドリルで穴を開けたりですね、もう海に捨てたりですね、するわけですよ。

そしてそのようなすごいシステムを財務省は導入しているのかという点についての質疑をはさみ、こう続ける。

そんなですね、システムを入れてたら予算書とかに必ず出てきますから後でわかりますから、入れてないんですよ、絶対に。

で、だから必ず残ってるんです。残ってますよ。残ってる前提でこのあと質疑しますが…

高井議員の発言に基づけば、相当なコストを掛けてパソコンを初期化しない限り、デジタルデータは必ず復元できるということになってしまう。これはおかしい。

コストを掛けてデータを消去するのは、データを「確実に復元不能にする」ことが目的である。そのような作業をしていない状態では、データは「復元できるかもしれないし、復元できないかもしれない」というのが正しい理解であろう。

高井議員は「念のためいろんなITの専門家にも確認しました」と言っているが、それら専門家は必ずデータが復元できると言ったのであろうか。そう言ったのだとしたらその「専門家」というのは誰なのかをぜひ聞いてみたいものである。

どのような時にデータを復元できるかについてはデータ復元に関する文章を別途参照していただきたいが、私の感覚で言えば、頻繁に書き込みがある文書管理システムのサーバ上のデータについては、おそらく復元は不可能であろう。各職員の利用する端末上のデータについては、定期的なデフラグ等が実行されていない限り、そこそこの復元可能性があると思われる。

従って、確実にデータが復元できるはずとの前提に立ち、仮にデータ復元が不可能であった場合に、それが財務省による証拠隠滅・隠蔽工作によるものと理解してしまうと、それは事態を正しく認識できていないことになる。

また、仮に各職員の利用する端末上のデータを復旧できたとして、それを行政文書として取り扱っていいかについては、慎重かつ抑制的であるべきだと思う。

そうしないと、今回はいいとしても、今後何かの時に「神の手」があらわれて、政権や行政機関にとって大変都合のいいデータを「発掘」してこないとも限らないからである。

 

ところで、共産党宮本岳志議員は4月12日の財務金融委員会において、朝日新聞

森友との交渉記録、データ復元の可能性 財務省認める:朝日新聞デジタル

この記事を引用し、「パソコン内のデータの復元可能性は極めて高いと思う」と発言した。

“森友”面会記録 財務省「復元できない」(日本テレビ系(NNN)) - Yahoo!ニュース

この発言がどういう経緯から出たのか、その直前の宮本議員の発言を見てみよう。

データの上書きというのはパソコンのハードディスクの容量上限のデータが保存されてはじめて上書きされていくものでありますから、財務省のシステムでは、ハードディスクの容量の空きがあっても勝手に上書きされると、こういうことになっているんですかね。

当該発言は、上記質問に対する佐川理財局長の答弁を受けて、こう述べた中でのものである。

いずれにせよ、ハードディスクの容量上限まで利用するというようなことは、ちょっと想定されませんので、近畿財務局内の、財務局のパソコン内のデータの復元可能性は極めて高いと思うんですね。

ハードディスクの仕組みについて、私の認識するところとはずいぶん異なる解説であるが、おそらく共産党事務所のパソコンではそのような非常に便利なファイルシステムを利用しているのであろう。ぜひ広く一般に公開していただきたいものだ。