森友学園問題の空騒ぎに思う
前回の記事の内容はまったく的はずれであったが、この件は法律面の勉強になることもあって、ずっと追いかけている。
現時点での私見を大雑把に述べると、土地取引に関し、政治家の関与を含む何らかの不正があるとは思われない。
糾弾する側が示すのは、状況証拠と呼ぶにも至らぬものばかりで、これらをもって「真っ黒」「大疑獄」などと称するのは、あやしい、うさんくさい人間は悪事を働くものだという単なる偏見である。
現職の総理大臣が関わる疑惑という点から、「ロッキード事件級」という評価を与えている向きもあるが、むしろ「ロッキード裁判批判級」のバカバカしい政権批判が行われているように思う。
ただし今回は、立花隆に相当するような論駁者はおそらく現れないであろう。
発端はわかる。
国有地の売却価格を非開示とすることができるという事は驚くべきことで、そこに何らかの不正のにおいを嗅ぎ取るのは自然である。
朝日新聞は番犬(ウォッチドッグ)としての機能を果たしたと言ってよい。
だがその後がいけない。事実を並べることはできても、事実を積み上げることができていない。読者に印象を植え付けることはできても、説得はできていない。
朝日に限らず、ネットを含めてメディアはどこも似たり寄ったりである。(テレビは見ていないが)
よりひどいのが国会での議論である。維新の面々の質問がまともな方なのだから何をか言わんや、民進党、特に玉木雄一郎は最悪である。攻めていれば優勢であると思っているのか、あるいはニュース映像を見た有権者がそのように思うと見くびっているのか、どちらにせよろくなものではない。
共産党は独自の情報網のおかげだろう、目新しい情報は出してくるのだが、それゆえにセンセーショナリズムに陥っている感がある。中身が伴っていない。「凍りついた」議場も拍子抜けしたのではないか。
そんな中、本件に関連して個人的に収穫と思えるのが、森村廣という人間を知ったことである。
民進党の公認内定候補であり、一般的には
昨日のツイートですが、地下埋設物の撤去・処理費用として8億円超を控除した結果、一見不当廉価に見える売却契約となったとのこと。路線価、面積を考慮すると合計費用は妥当かと思われます。汚職という言及に関して当該ツイートを撤回し謝罪するとともに、更に勉強を重ねる決意を新たにしました。 https://t.co/fOABCWq09G
— 森村廣 (@hiromu_morimura) 2017年2月10日
このツイートで広く知られていると思う。この謝罪をめぐるその後のやりとりも筋が通っていてよい。
そしておかしな主張には釘を刺す。
なお私のTLやFacebookのタイムラインに「鉄骨造りなのに木造建築物に対する補助金を受けるのはおかしい」といった主張が散見されますが、当該補助金は建造物の木造・木質化の推進に対する補助金ですので、外装もしくは内装を木質化している場合は鉄骨造りでも対象になります。
— 森村廣 (@hiromu_morimura) 2017年2月20日
付和雷同しない。
この記事でもそうなのですが、土地取引の収支にその上物である校舎への木質化補助金を入れ込んでいる議論には違和感を覚えます。まずは土地取引に絞って議論すべきです。 / 森友学園の国有地取得の収支(渡辺輝人) https://t.co/quR5BYivuh
— 森村廣 (@hiromu_morimura) 2017年2月21日
良いものは認める。
因みに今日現地の視察を行ったところ、校舎に関しては外装、内装共に木材を多用している様子が伺えました。当該学校法人の主張と照らし合わせると勿論国産材を使っているでしょうし、こうした問題がなければ大規模に木質化された建造物に対する視察として行きたかった校舎でした。
— 森村廣 (@hiromu_morimura) 2017年2月21日
こんな人物になら個人献金してもいいかな、と思う。